2022/12/20
キャラグッズ担当者がまだ「缶バッジを制作した方が良い」3つの理由
アニメ・キャラクターグッズの王様と言っても良い程の人気を誇る缶バッジ。この缶バッジ人気は2000年代の後半から始まったと言われています。圧倒的に売れるアイテムとして瞬く間にアニメグッズの王様のような存在になり、現在ではアニメやゲームがグッズ化されるに際して缶バッジが制作されないなんて事はまずないくらいの存在となっています。
アニメ・キャラクターグッズの企画をするライセンシーの企画担当者さんはそのライバルの多さから缶バッジの企画を通す為に四苦八苦していた時期があったと思います。どの会社も缶バッジの企画を通したがっていた時代が確実にありましたね。
そして現在では「缶バッジ?どうせ制作許諾は取りづらいから」と缶バッジの企画を最初から立てないようなラインセンシーさんもいるのではないかと思います。
それでもあえて、アニメ・キャラクターグッズ担当者様に向けて言います。
オリジナル缶バッジの企画を立てた方がいい
と。オーダーメイド缶バッジ制作を生業としている私達がそういうのは当然のように感じられるかもしれませんが、自身の立場を度外視したとしても同じようにおすすめできます。
それは何故か?
今回は、
アニメキャラグッズ企画担当者がそれでもやっぱり「オリジナル缶バッジを制作した方が良い」理由
と題して缶バッジの制作事業を15年手掛けるバッチリ缶バッジの缶バッジ制作担当がアニメキャラグッズ企画担当者に向けてお届けしたいと思います。「オリジナルグッズを制作しても売れない」というお悩みを持つ方も、ぜひ最後まで読んで行ってください。
目次
オリジナル缶バッジの企画は確かにライバルが多いです。どの会社も缶バッジで企画の収益を立てたいと考えています。だからこそ、その競争を勝ち抜き企画を通す。私達バッチリ缶バッジがお客様にとってその目的と為の最良のパートナー足りえることを常に目指しています。
それではいってみましょう!
それでもオリジナル缶バッジ制作の企画を立てた方が良い理由
ではまず最初に実際問題「なぜオリジナル缶バッジ制作の企画を立てた方が良いか」を説明していきたいと思います。
理由その1 やっぱり売れるから
「実際そんなに売れないんじゃないの?」そう考えている方もいらっしゃるかもしれません。
上の表がなんだかおわかりになりますでしょうか?これはGoogleトレンドで「缶バッジ」というワードの検索ボリュームを2004年から2022年調べた推移になります。Googleトレンドは期間を絞って検索キーワードの検索ボリュームを調べて推移を確認できるので世の中のニーズを確認するのにとても便利です。
この推移を見てみると「缶バッジ」の検索ボリュームは2000年代の後半からグングンと伸びていて2020年以降はコロナの影響か(緊急事態宣言の影響で)増えたり減ったりがありますが、全体としては伸びようとしているようには感じられませんでしょうか?これはまさに缶バッジへの世の中の興味の指数がずっと上り続けようとしていると言っていいと分析しています。
↑こちらは「オリジナルTシャツ」での2004年からの検索ボリュームの推移です。毎年夏が近づくと検索ボリュームがグンと増し、冬に向けて収束を繰り返しています。そしてそのふり幅が一定ですね。こうして比べると「缶バッジ」の検索ボリュームの上り具合が顕著に感じ取れます。
この10年、缶バッジに対するニーズは上がり続けている。つまり、
缶バッジはやはり売れる!
と言っていいのではないかと思います。
さ・ら・に
ここからは裏話的で記載することも少しはばかられるのですが・・・。キャラクターグッズのもっとも売れる売り方は何か・・・?
それは、トレーディング販売です。
中の見えない銀色OPPなどで個別包装をしてどのデザインが出てくるかわからない仕様にして販売する例のあれです。
このトレーディングという売り方、通常で売るよりも売り上げが1.5倍から1.8倍程度あがるといわれています。特にコラボカフェやタイアップのイベントなどでの販売力は爆発的です。
このトレーディングができるグッズというのが商習慣的にはカードか缶バッジだと言えます。アクリルグッズはそもそもの販売価格が800円とちょっと高めな為缶バッジのように300円~400円程度の商品がもっとも単価が高くトレーディングとしても成立するアイテムであると言えます。
こういった販売方法をチョイスできるという意味でも缶バッジはやはり売れる。
と、断言してもいいのではないかと思います。
理由その2 アニメグッズの中でも缶バッジは利益率がいいから
理由のその2は缶バッジの利益率です。
この一覧の中で販売されている缶バッジの販売価格の平均は「416円」でした。それに対してオリジナル缶バッジの制作単価、これは数量によって違うので一概には言えませんが、考えてみたいと思います。
個数とサイズで見る、オリジナル缶バッジ制作費用(安全ピンタイプ)業界最安値!
数量/サイズ | 32mm | 38mm | 44mm | 57mm | 76mm |
50個 | ¥47 | ¥56 | ¥65 | ¥70 | ¥83 |
100個 | ¥45 | ¥54 | ¥63 | ¥67 | ¥80 |
300個 | ¥44 | ¥50 | ¥60 | ¥63 | ¥76 |
500個 | ¥42 | ¥48 | ¥56 | ¥60 | ¥73 |
1000個 | ¥40 | ¥47 | ¥53 | ¥56 | ¥71 |
2000個 | ¥39 | ¥46 | ¥51 | ¥55 | ¥70 |
3000個 | ¥38 | ¥45 | ¥50 | ¥54 | ¥68 |
5000個 | ¥37 | ¥44 | ¥47 | ¥53 | ¥67 |
10000個 | お問合せ下さい |
また当店の安全ピン缶バッジは不良率が圧倒的に低いです。パーツを自社開発している当社だからこそのこの値段と不良率が自慢です!
製品として販売する缶バッジで最も人気のある57mmおオリジナル缶バッジを制作する際に1000個作った場合の制作単価が、製缶61円+個別包装10円=71円となります。
この場合、販売上代416円に対して製造原価71円となり、製造原価は17%となります。
仮に上代の50%で問屋さんに缶バッジ商品を卸すとした場合、
卸値・・・208円※ライセンシーさんとしての販売価格
製造原価・・・71円
利益額・・・138円
缶バッジを製品にした時の利益率の平均・・・66%
なんとオリジナル缶バッジは67%の利益率で販売ができるということになります。アニメ系・雑貨系商品の企画や卸を経験した事がない方だとピンとこないかもしれませんが、同じような算出方法で、アニメグッズで人気のアクリルキーホルダーやオリジナルTシャツの利益率を出してみると。
【アクリルキーホルダー】
※製造コスト190円、上代800円、卸率を50%とした場合
製造原価率・・・23%
利益率の平均・・・52%
【オリジナルTシャツ】
※製造コスト1000円、上代3500円、卸率を50%とした場合
製造原価率・・・28%
利益率の平均・・・42%
計算は割愛しますがこのような利益率となりました。以上のような比較からやはり、
アニメ・キャラグッズの中でも缶バッジは利益率が格段に良い!
このように言えるかと思います。
理由その3 オリジナル缶バッジは小回りの利いた制作対応ができるから
その2では利益率というとてもリアルなお話をしましたが、理由のその3はオリジナル缶バッジ制作は小回りが利くから、としました。これは缶バッジが人気になったユーザー側ではなく仕掛ける側の事情として大きかったのではないかと個人的には思っています。
年度別TVアニメ・アニメ映画の放映本数の推移
少し古いデータではありますが、こうして見てみるとアニメ作品は予想通りの増え方をしているようにも思えます。筆者が少年時代を過ごした1980年代は今の約4分の1。
これらの推移が示す事はつまり、
アニメ作品の趣味や好みは多様化していて、移り変わりも早く、作品の寿命というものも短くなっている傾向にある
ということです。
アニメグッズ業界においては、少し前に流行ったアニメのオリジナルグッズを制作したけれども売れない、ということが起こりうるのです。こうした背景の中でアニメ・キャラクターグッズ企画は、”短命傾向にある無数の作品の中から人気の出るタイトルを選定し、さらには最適な売り時で市場にグッズを投入しなくてはならない” このような事情を抱えています。
かつては誰もが知ってる絶対的人気作品を大量に安く海外で作って投入するというのがアニメ・キャラクターグッズの一般でしたが、近年では早さ、つまり小回りが利くことが最も重要になってきています。あまり売れないアニメのグッズを制作し続けるのは良い戦略とは言えませんよね。
こうした傾向の中では、製版の必要がなく、種類が多くても金額が変わらない、極小ロットからの制作対応、そして何よりも納期が早い、という全ての条件を満たしているのがオリジナル缶バッジの制作であると言えるかと思います。
アニメや作品タイトルの人気が急にはねた時でもコンパクトにクイックに市場にグッズを投入できる、そういう意味でオリジナル缶バッジは一番最適だと言えます。
・売れる
・利益率の良さ
・制作に小回りが利く
以上、3つ理由から「やはりオリジナル缶バッジの企画は立てた方が良い」
と私達は考えています。
オリジナル缶バッジの企画はどうしたら通せるのか?
「でも人気だからこそライバルが多く缶バッジの企画って許諾がおりにくいし・・・」
そんな感想をお持ちの方も多いと思います。ではここからは許諾が通りにくい缶バッジの企画のヒントになるようなお話を作成業者であり企画部門も持っている立場だからこそできる視点でお伝えできればと思います。
では人気アニメ・人気タイトルでも通る企画とはどんな企画でしょうか?
それは、
他社さんと提案が被っていない企画である
と言えます。缶バッジでも他社さんが提案していない缶バッジであれば、そこに企画許諾の可能性がある、という事になります。版元さんは企画を許諾することでロイヤリティを得る立場にあるので通せるものなら通したい。でも商品として被ってしまう為に許諾が出せないのです。だから他社さんと被らないオリジナルの缶バッジの企画でトライをしていくという事が大事になると言えます。
ではここからは、他社さん被らなさそうな、ちょっと特別なオリジナル缶バッジの種類を紹介していきたいと思います。
企画を通す為のオリジナル缶バッジをご紹介!
◆AR缶バッジ
缶バッジにAR画像、AR映像を仕込んだ缶バッジです。缶バッジのデザインをスマホの専用アプリで読み込む事でアニメキャラクターの画像が出現して一緒に写真が取れたり、特典映像を視聴できたり、こういう仕掛けを設けることで通常の缶バッジとは違ったアイテムとして許諾を通していただける確率が上がります。アニメ作品との相性は抜群です。
リアライズで企画したAR缶バッジをご紹介したいと思います。
AR缶バッジについては以下の記事もご参照下さい。
「なにこの企画?」提案が通らない。そんな時に頼りたい最新オリジナルARグッズ企画集
◆鏡面印刷ミラー
ただ缶ミラーであればそこまで珍しくはないかもしれません。ただ鏡面にキャラクターが印刷された缶ミラー制作ができる業者は少なく、その為鏡面印刷の缶ミラーはねらい目です。女性向けのタイトルなどでは売れる缶ミラーを制作できる事が狙えます。鏡面に印刷することで、他社とは違ったオリジナル缶ミラーとして販売することが出来ます。
◆連結アクキー缶バッジ
次に紹介するのはキングオブノベルティとも言える缶バッジとアニメ・キャラクターグッズの王様とも言えるアクリルキーホルダーが合体した商品です。こちらもリアライズ独自開発商品の為、まだまだ珍しく他のライセンシーさんと企画が被る可能性が低い商品であると言えます。
以前リアライズが自身で企画したポプテピピック連結アクキー缶バッジ
缶バッジの下にアクキーがぶら下がってゆらゆらと存在感を放っています。缶バッジ部分とアクキー部分の組み合わせ次第で様々な表現が可能です。
缶バッジとアクリルキーホルダーを連結させた最強アイテム、参考までに価格表をご紹介いたします。
オリジナル連結アクキー缶バッジ制作の価格表
数量/サイズ | 57mm + 3cm | 57mm + 4cm | 57mm + 5cm | 57mm + 6cm |
50個 | ¥292 | ¥325 | ¥346 | ¥372 |
100個 | ¥273 | ¥291 | ¥313 | ¥343 |
200個 | ¥257 | ¥273 | ¥295 | ¥324 |
300個 | ¥246 | ¥260 | ¥283 | ¥313 |
400個 | ¥236 | ¥254 | ¥276 | ¥305 |
500個 | ¥230 | ¥247 | ¥269 | ¥298 |
1000個 | ¥229 | ¥241 | ¥263 | ¥289 |
2000個 | ¥224 | ¥240 | ¥261 | ¥287 |
3000個 | 価格ご相談下さい |
オリジナル連結アクキー缶バッジ、今ならまだ企画通過の可能性がまだまだ高いと思います。ぜひご検討を。
◆レコードバッジ
レコードを模したバッジです。当店の独自開発商品の為、バッチリ缶バッジおよび一部の卸先グッズ制作会社さんでしか制作できません。盤面部分はABSという樹脂で作られていて割れにくく、何よりも本物のレコードそっくりの質感です。溝の部分もこだわりのポイント。
背面は安全ピン、クリップピン、スタンドピンから形状をお選びいただけます。音楽系のコンテンツに向けての企画をお待ちしております。
以上今回は4つの新鮮なバッジのシリーズを紹介しました。どれもあまり目にした事のないアイテムではなかったでしょうか?これらのアイテムは実際に私達がライセンシーとして人気アニメ・人気作品の許諾を取りにいった結果感触のよかったものですので自信を持っておすすめしています。
バッチリ缶バッジを運営するリアライズはオーダーメイドでのオリジナルグッズ制作の相談を請け負う事業だけでなくライセンス商品の企画の部門も運営しています。そういった経験からお客様に企画からご提案できるパートナーでありたいと考えています。
ライセンシーでもある私達が一緒に考えます!
バッチリ缶バッジでは全ての制作案件に担当が付き納品まで伴走をさせていただいております。また継続的にご発注いただけるお客様には営業担当が付き、定期的な商品のご提案もさせていただいております。
ネット系印刷会社が増えて、システマチックに注文できる便利さがある一方で私達が大切にしていることは「お客様と一緒に考える」ということです。
ラインセンシーとして企画を生み出しアニメ・キャラクターグッズを自社商品として生み出してきた経験でお客様のお役に立てる瞬間がこれまでも数々ありました。「制作したアニメキャラグッズが売れないかもしれない」そんなお悩みに対しても並走して一緒に悩みます。
必要に応じて何度でもお打ち合わせをし、お客様が検討されているコンテンツに向けた最適な企画が立てられるように、モノづくりのプロの視点を持ったプロジェクトメンバーとして当店の営業担当がいつでもお客様の元へ駆けつけます。
私達と一緒に売れるオリジナル缶バッジの制作をしましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました。参考になりましたらシェアいただけると嬉しいです<(_ _)>