”痴漢抑止バッジで性被害の無い世界を” 痴漢抑止活動センター代表松永様

株式会社リアライズのオリジナル缶バッジ製作サービスをご活用いただいているユーザー様の活動にスポットを当ててご紹介する「お客様インタビュー」。Vol.01は痴漢抑止活動センターの松永代表にご協力いただきました。

~痴漢抑止活動センターについて~

一般社団法人痴漢抑止活動センターは、教育を通じ誰もが安心安全な車内を実現し、性犯罪を許さない社会の実現に寄与することを目的とし、2016年1月に設立。被害者が一番多い10代20代を中心に広い世代が参加する教育的コンテンツとして、学校と連携し「痴漢抑止バッジデザインコンテスト」を実施。採用されたデザインで実際に痴漢抑止バッジを製作し配布。
痴漢を切り口にあらゆる性暴力のない社会を目指し活動している。

———本日はお時間を頂きありがとうございます。さっそくインタビューを始めさせて頂いでもよろしいでしょうか?

 

はい、よろしくお願いします。


痴漢抑止活動センター 松永代表

 

———ありがとうございます。まず、今までの活動の経緯とその経過についてお伺いしたいのですが、痴漢抑止バッジプロジェクトというのは女子高校生の手作りカードの体験をSNSで見つけたことから始まったと伺いました。その投稿を見る以前から痴漢について何か問題意識を抱えていらっしゃったりはしましたか?

 

はい、あの…私自身も東京にいた頃には毎日痴漢にあっていたんですね。

 

———そうだったのですね

 

中央線に乗って会社に行っていたんですけど、そのころ私はもう二十歳を過ぎていたし、痴漢の手をパンパンパンッと払ってそれで済んでいました。そして、これは私が若い女だからこんな目に遭うのであって年を取れば無くなるから、今だけの我慢だと思ってやりすごしていました。実際に年齢が上がってきたり満員電車に乗らなくなったりしたら痴漢されることが減ったので、もう本当に記憶の片隅に追いやられていたんですよ。だからこそ、友人がSNSに娘さんの痴漢被害に関して書き込んだ時にすごいショックを受けたんですね。私自身には子供はいないから、考えたことがなかったんだけれども、もし私に娘がいたら、やっぱりその娘も同じように痴漢にあっていたんでしょうね。で、私は二十歳だった頃、「今だけ我慢していればそのうち被害がなくなるだろう」と思っていたんですが、それは大間違いで、私が年を重ねて痴漢のターゲットにならなくなったら、今度は私の下の世代の子がターゲットになるだけの話だった。被害を先送りしているというか、次の世代に渡してしまっている、ということに気付かなかった自分に腹が立ちました。

 

———なるほど、痴漢はたとえ自分がターゲットにならなくなっても、世代を超えて続いてしまうことが問題なのですね。では、活動をしようと決意した時のお気持ちをお聞かせいただければと思います。

 

はい。活動を始めたきっかけは、先程も言ったように私の友人の娘さんが痴漢被害にあってしまって、その経験から痴漢対策用の身に付けるカードを考えてお母さんのSNSに投稿してくれたことです。私はその投稿をみた時にとてもショックを受けたんですね。なぜかというと、今の高校生が電車の中で毎日のように痴漢にあっているのは、二十歳の頃の私が何のアクションも起こさなかったせいではないかと思ったんです。彼女が作ったカードは、デザイン的にはあまり可愛くなかったんだけど「痴漢は犯罪です。私は泣き寝入りしません」ときっぱり書いてありました。それを付けるだけで痴漢に遭わなくなるのですから、まず被害者がいなくなりますよね。そして、被害者がいないってことは変なことをする加害者もいないわけですよ。そしたら痴漢冤罪も起きない。誰も傷つかないすごく良い考えだと思いました。だけど、その大きくて不格好なカードをたった一人でつけて電車に乗って登下校している子がいるっていうのが私はすごい切なくて、そんな良いアイディアだったら他にも困ってる子たちの手に渡ったらその子はたった一人で戦わなくていいなと思ったんです。なので、本当にシンプルに活動を始めたきっかけを言うと、原型を考案した友人の娘さんが一人で戦っているのを見ていられなくて、彼女と一緒に戦う子が一人でも増えてくれたらいいなという想いで活動を始めました。

 

———なるほど、大きく不格好なカードのままであれば自分からつけてくれる子は少ないかもしれないけれど、缶バッジを使うことで一緒に戦う人数が増えていくということですね

 

不格好なカードだとたぶん、同じように痴漢に遭っている子もつけてくれないと思ったんですよ。もちろん心配してくれる方もいたんでしょうが、やっぱりまわりの人からも奇異な目で見られたりもするでしょうしね。男の子に「痴漢だって相手選ぶよな」といじわるなことを言われたりもするでしょう。だから、デザインがいろいろあって、好きなデザインが選べるようになったら他の被害に困っている子たちも一緒に缶バッジを使ってくれるかなと思いました。

 

  

 

———なるほど。では先ほどお話頂いたことに少し関連するのですが、今被害者の方が泣き寝入りしたりですとか、SNS上で「痴漢されるのが悪いんだろう」と叩かれたりするという信じられないような風潮があると思います。そのような問題はどのようにすれば解決するとお考えでしょうか?

 

そうですね。これは本当に難しくて根が深い問題で、特に痴漢についての正しい知識のない人が多いっていうのが大きいと思います。短いスカートを履いているからだとか、露出が多い恰好しているから痴漢に遭うんだって思っている人が多いんですけど、実際は違うんです。学校の制服も校則通りに真面目に着ている子の方が痴漢に遭う率が高くて、おとなしそうにみえる子が狙われやすいという傾向があります。なので、誰が痴漢に遭うかって言うのは本当に分からない。これってね、警察も勘違いをしているポイントなんです。警察の防犯講座の中でも痴漢役の人が「可愛い女の子を痴漢しちゃうぞ」とか言って登場しているんですよ。でも、そうじゃないんですよって。ごくごく普通の女の子たちが痴漢されているし、自分は可愛くないから「痴漢された」と言っても信じてもらえないかもって言って黙っちゃう子もいる。だから、痴漢に対する正しい認識が広がるって言うのがすごい大事だと思っています。

 

———たしかに大人しそうな子の方がどうせ声をあげないだろうと思われて狙われやすい気がします。そういう方にとっては、痴漢抑止バッジはとてもすばらしいアイテムですね。では、次の質問なのですが、活動の中で障害になったことや、今まで大変だったことなどありましたらお聞かせください。

 

そうですね。最初は、痴漢抑止バッジはすごく良いアイディアだから鉄道会社や警察にこんな防犯グッズを作りましたって言ったらすぐに対応してもらえるって思っていたんですよ。そうしたら、全然相手にしてもらえなくて、「結構です」みたいな感じできちんとバッジの効果を伝えられずに電話切られたりもしてかなりショックでしたね。最初はそういうのが結構長く続いたので、今振り返ってもご協力頂ける方が出来るまでは大変だったなと思います。

 

———では、どのようにして協力してくれる方を増やしていったのでしょうか?

 

一つは毎年「痴漢抑止バッジデザインコンテスト」という学生さんを対象にしたコンテストで、痴漢犯罪について考えてくれる人を増やしていったことかなと思います。例えば去年のコンテストは第7回目のコンテストで、全国148校から1091作品の応募がありました。審査にも大勢の方が参加してくださって、これまで第1回~第7回までの合計でいうと審査に当たってくれた方も含めて一万人以上の方が参加してくれています。つまり、一万人以上の人が痴漢問題よくないよね、とか、なにかで解決したいね、と真剣に考えてくれたことになります。そういう人を増やしていけたのが、よかったのかなと思っています。

痴漢抑止バッジデザインコンテストの様子


2022年痴漢抑止バッジデザインコンテスト募集ページ

 

———なるほど。まずは痴漢問題について真剣に考えられる場を作ったんですね。

 

そうです。そういうことをしている間に、学校がモデルケースとしてバッジをつかってくださって、実際に94.3%の女子学生が効果を感じてくれたというデータが出たり、鉄道会社の中にもコンテストに協賛すると仰ってくれるところが出来たり、少しずつ状況が変わってきたんです。他にも、マンスリーサポーターといって毎月500円からで活動を支援するっていう方も今170名くらいいてくださったりとか、ちょっとずつご支援の輪は広がってきている感じです。

 

———痴漢問題についての正しい認識を広げることで協力者の方を増やしてどんどん活動を広げていかれたんですね。では、次の質問なのですが、活動の中で知った事や驚いたことなどありましたら教えてください。

 

えっと、私自身被害者ではあったけど、痴漢問題の専門家という訳ではなかったので、活動を始めてからたくさんのことを知りました。例えば、今もある女性専用車両って時々男性差別だとか話題になってるけども、実は100年前からあるってご存知でした?

 

———え、知らなかったです!

 

ねぇ、私も初めて知ったんです。えっとね、1912年には東京の中央線に夫人専用車両という形で入っているんですよ。その頃から出来たり廃止されたり、まだ導入されたりっていうのを何回も繰り返して今に至っているんです。だから、電車内の痴漢って100年前からあった社会問題なのに、今まで誰も解決してこなかったんだというのに驚きました。あともう一つが、私自身も電車の中で痴漢にあったことがあるんですけども、触られそうになったらすぐ手をパンパンと払っていたから、電車の中でされる痴漢は軽く触ってくるくらいかなって思っていました。でも実はスカートの中に手を入れたり、下着の中に手を入れたりっていう強制わいせつもあるんです。強制わいせつの事件のうち、15%が電車の中で起きているっていうデータもあって、それを見た時には本当に驚きました。

 

———そうなんですね。痴漢っていうと服の上から軽く触るとか、そのレベルをイメージしていたので、強制わいせつまでいっている件数がこんなにあるというのは私もとても驚きでした。

 

驚きますよね。で、その被害にあっているのが10代や20代の方が多いんです。なぜかというと、高校生とか中学生が自分より身体が大きなスーツを着ている大人の男の人に、そういうことをされて「何するんですか、やめてください」って言うのは難しいからです。だって私たちは大人に対してそういう口のきき方をしてもいいっていう教育を受けていないでしょう。日本でいう良い子っていうのは大人のいう事を聞く子なので、大人に対して「何をしているんですか、やめてください。ふざけないで」って言っていいなんて誰も教えてくれないんですよ。でも、本来は痴漢加害行為は痴漢犯罪だからそれは言っていいんですよね。

警視庁「こんな時間、場所がねらわれる」より抜粋(2018年12月21日データ)URL http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kurashi/higai/koramu2/koramu8.html

 

———なるほど、大人に対して「やめて」といえない教育にも問題があるのですね。

 

そうそう、だから、実際の痴漢被害の届出の数は当てにならなくて、本当は言えない子がもっと大勢いるんだっていうのはみんなに知って欲しいなと思っています。

 

———そうですね。そういう被害は「受けた」と口に出すのも嫌になってしまったり、思い出してまたフラッシュバックするのも怖かったりという問題も確かにあると思います。そのような中で、缶バッジをつけることで痴漢を防止出来た例というのがもちろんたくさんあると思うのですが、痴漢防止の活動をしていて、よかったと感じる瞬間はどのような時か教えて頂いてもよろしいですか?

 

バッジを配ってつけてもらっていた時には、はがきをたくさん頂いているんですよ。その中で「安心して電車に乗れるようになりました」とか「バッジをつけてから痴漢に遭わなくなりました」っていう声がたくさん届いていて、それが嬉しかったです。あと、「周りに女性が立ってくれるようになりました」っていう声もありましたね。

 

———ハガキですか!それは嬉しいですね!

 

そうなんです。また、毎年さっきも言ったようにコンテストで缶バッジのデザインを募っているのですが、学校が主体でやってくださっているケースもあるんですね。ですからもちろん、男子生徒からの応募もあって、男子の方がデザインするにあたって痴漢のことを調べてくれたり、女友達に聞いたりして、「こんなひどい被害だなんて初めて知った」「痴漢は許せない」って言ってくれるのがすごく嬉しいんです。なぜなら、そういう子たちってもし痴漢にあってる人を見たら守ってくれる側になると思うし、将来間違っても痴漢しない男の人になると思うんですよ。そういうふうに、痴漢抑止バッジは予防教育の側面もきちんと持っていて、それがちゃんと活きているなって感じるのが嬉しいです。

 

———ありがとうございます。痴漢を自分の力で防止するだけではなくて、周りの女性が守ってくれるようになったり、あとはそもそも痴漢に手を出さないように教育をするっていう効果もあるということで、その効果を実感出来ているのが嬉しいのですね

 

はい

 

———ありがとうございます。ひとつ前の質問に関連するのですが、先程ハガキをたくさん頂くというお話を伺ったんですけども、その他の反響はどのような形で届くことが多いですか?

 

去年の8月なんだけど、うちがアップしたツイートの発言が軽く炎上みたいな感じになっちゃったんですよ。「こんなしょうもない缶バッジを作って売っている団体がある」という内容で、ネガティブに拡散されてしまったんですね。でも、その中である方が「私はこの缶バッジを高校時代に付けててすごい効果があったからネガティブな情報や発言をみるとツライ」と書いてくれたんです。そしたらそれまでの批判の声がぴたっと止んで、他にも「私も使ってました」っていう子が出てきたりもしてくれて、それがすっごく嬉しかったんです。そして、今年から痴漢抑止バッジを無料にしてるんですけど、今まで業者さんにお願いしていたパッケージングの作業をボランティアさんにお願いしてやるようになったのね。それで、ボランティアに来てくれた人に、何がきっかけでこのボランティアに来てくれたんですかって聞いたんです。そしたら高校時代に痴漢抑止バッジを使ってくれていて、大学生になってボランティアをしようと思った時にこの団体を思い出してくださったそうで、「痴漢抑止バッジの効果で助かっていました!」と言ってくれたのがすごく嬉しかったです。

 

———実際に女子高生の時にツライ思いをされていたけど缶バッジによって救われた方が確かに存在していらして、その方が今度は缶バッジの団体の為にボランティアをする…そのような温かいやり取りがされているのですね。

 

本当にね。サポーターとして今度は私たちを助けてくれるようになったんだなと思うと本当に涙が出るくらい嬉しかったです。

 

———素敵なお話をありがとうございます。続いての質問なのですが、先程のお話で痴漢被害は過去100年にわたってずっと解決してこなかったと伺ったんですけれども、今缶バッジによる活動をされていて、実際に世の中は変わってきたと感じられますか?

 

———すごく変わったと思いますよ。2015年に痴漢抑止バッジを始めた時はインターネット上での批判の声がすごくて、こんな缶バッジをつけても意味ないって言われたり、冤罪の方が怖いという声が多かった。でも、最近はそういうのをほとんど聞かなくなったし、痴漢を見つけたら加害者に「何をしているんだ!」と加害者を捕まえてくれる人も増えてきている。そういうニュースもどんどん増えてきているので、世の中はこの数年で大きく方向性が変わってきているなと実感しています。

 

———なるほど、とても良い流れが来ているのですね。次に実際に缶バッジについての質問をさせて頂きたいと思います。

 

はい、どうぞ。

 

———身に付けるアイテムとしてはキーホルダーやリストバンドなど、他にもいろいろなアイテムがあったと思うのですが、中でも缶バッジというアイテムを選んだ理由がありましたら教えてください。

 

そうですね。最初に考案者の子が作った痴漢対策のアイテムがプレートをバッジのようにつけていたので、缶バッジにしました。で、缶バッジの付け方にも工夫があって、肩のあたりに後ろの人に見えるようにするのが一番効果的なんですよ。だから、バッグのストラップにつけるときに、キーホルダーやリストバンドだと、結局周りの人に見えなくなっちゃうんですね。でも缶バッジであれば、安全ピンだけでなくクリップも付けられるので、着脱が簡単で使いやすいんじゃないですかっていうアドバイスを佐藤社長から頂いて、クリップ式の缶バッジにさせていただいています。

 

———ありがとうございます。きっかけもバッジに似たものでしたし、実際に使う時も缶バッジの方が実用性も高くて効果も高いのですね。では、続いて缶バッジのデザインについての質問です。先程HPを拝見した時に印象に残ったバッジのデザインとして、半分が女の子の顔でもう半分が男の子の顔っていうバッジをみまして、今は男性の痴漢の被害者になるんだ、と私自身とても驚きました。今っておそらく、缶バッジのデザインは女性向けのものが多いかと思うのですが、今後男性の被害者に向けての取り組みも広げていくのでしょうか?

 

缶バッジのデザインコンテストをやる時、当初はデザインの条件として女子学生が身に付けやすいという設定を書いていたんです。でも、5回目か6回目くらいからそれを無くして、代わりに性別関係なしに学生や若い方がつけやすいデザインというふうに書き換えました。去年は特に、男女が入っているデザインがすごく増えたんですけど、それは学生に配った痴漢の情報をまとめた案内の中で男子も被害にあっていると載せたのが影響したのかなと考えています。毎年いろいろなデザインがあって、道路標識や110番、カメラのレンズを意識したものなどユニセックスなデザインのバッジがたくさんあるんですよ。だから、その中から男性も付けやすいものっていうのを選んでいただけるかなと考えています。

 

———可愛い女子が付けやすいものだけではなくて、カメラレンズや道路標識など男子でも手軽に手が伸ばせるデザインを用意して対応されているんですね。

 

そうですね

 

———では、缶バッジについては最後の質問になるのですが、どういった経緯で当社リアライズをお選び頂いたかどうかを教えて頂ければと思います。

 

あぁ、もうこれは私が選んだというよりも、リアライズの佐藤社長からお声がけ頂いたんですよ。うちの活動が最初にニュースになった時に、そのニュースをみた社員の方が佐藤社長にこんなニュースやってましたよっていうのを教えてくださったんですって。そしたら佐藤社長がうちでなにか力になれることがあったら、ということで当時作っていたサンプルの缶バッジを無料提供してくださって、その後も製品化するにあたっていろいろアドバイスを頂いたので、それからずっとお世話になっているという形です。

 

———そうだったんですね!ありがとうございます。

 

ずっと感謝しています

 

———リアライズと、とても深い縁があるのですね。本当にありがとうございます。では次に、今後の展望についてお伺い出来たらと思います。まずは今までの活動を通じて松永さんご自身の中で活動前と活動後で変化はありましたか?

 

そうですね。最初は正直、痴漢抑止バッジを考案した友人の娘さんが一人で戦わなくてすんで、彼女がもっと今より学校に通いやすくなったらいいな~くらいの気持ちで始めました。でも、実際にプロジェクトを立ち上げてみたら、ものすごくたくさんの方から共感のコメントを頂いて、私が考えている以上にこの問題は根が深いっていうことが分かりました。なので、一回こっきりバッジを作って配布してやめちゃいけないんだなと思い、なんだかんだでもう活動を始めて7年、8年になります。

 

———8年ですか、とても長い年月ですね。

 

今年でバッジのコンテスト8回目だからね。その中で、正直苦しい事もいっぱいあったけど、バッジのおかげで助かりましたって言ってくださったり、鉄道会社の中にも協力してくださるところが現れたり、少しずつご縁が広がってきて、続けてきてよかったなと思っています。

 

———なるほど

 

で、いつかは一万人規模のイベントをやれたらいいなと思っています。痴漢にあったことがある人、老若男女関わりなく、若い子ももちろん、若い頃に痴漢にあった私世代の人とか、もっと上の世代の人とか、痴漢にあって嫌な思いをしたり、もう痴漢なんかに遭いたくないって人みんなで痴漢抑止バッジをつけて電車に乗る日っていうイベントはやってみたいです。

 

———すばらしいですね!

 

それこそ山手線ジャックじゃないけど。みんなでバッジをつけて電車に乗る日。そんなのをやれたら面白いなと思っています。

 

———SNS等でもものすごく話題になりそうですね。

 

なりそうですよね。その時には本当にぜひ、リアライズさんにご協力いただければと思います。

 

———ぜひ。私もバッジをつけて参加したいです。そのような機会があれば。ありがとうございます!最後に、この記事を読んでいる方に向けてメッセージをお願いしてもよろしいでしょうか。

 

はい。缶バッジっていろいろな使われ方をするグッズになったなと思います。最近だと、「マスクが出来ないのは理由があります」っていうバッジだったりとか、「咳とかをしていてもコロナではなくて花粉症です」という缶バッジが出来たりとか、あとは、缶バッジじゃなかったかもしれないけど「席譲ります。声を掛けてください」っていう意思を示すツールが出来たりとか。そういうのってちょっとおこがましいかもしれないけど、うちの活動からなんか流れが来ているんじゃないかなと思っています。日本人ってちょっとシャイだから、なかなか自分からそういう声かけは出来なかったりするけども、缶バッジを見やすく付けることでそういうのを伝えられて、今よりちょっと優しい社会になれたら、それはすごくいいことなんじゃないかなって思います。

 

———缶バッジをひとつ付けるだけで自分の意思をハッキリと伝えられて、周りの人はほんの少しかもしれないけれど優しくなってくれる。とても素敵なシステムだと思います。これで、インタビューは以上になります。本日は貴重なお話をありがとうございました!

バッチリ缶バッジは今後も痴漢抑止活動センターの活動を応援していきたいと思います。

 

一般社団法人痴漢抑止活動センター

https://scbaction.org/

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